人と違う人生を歩いていると、ときどき不安になります。
「自分だけ間違った方向に進んでいるんじゃないか」
「周りは前に進んでいるのに、自分だけ違う場所にいるんじゃないか」
そんな20歳の相談者と、サカナクションの山口一郎さんが話していた配信がありました。
最初は少し変わった人生相談のようにも聞こえます。
でも話が進むにつれて、山口さん自身の20代の経験とも重なり、最後には「自分の人生を信じる」という話につながっていきます。
久しぶりに見返して、やっぱり残しておきたいと思った話です。
周りと違う道を歩いてきた20歳の相談者
相談者は20歳。
進学校に入りながら、音楽への思いを捨てきれず、高校時代には海外へ。
現地で仲間と音楽をしたり、人前で歌ったりする中で、音楽によって人が一緒に盛り上がる瞬間を経験します。
その後、日本へ帰国。
大学へ進学し、音楽に関わる仕事も経験します。
それでも「見ているだけではなく、自分で音楽をやりたい」という思いは消えませんでした。
生活費や音楽に使うお金を稼ぐために別の仕事を選び、最終的には大学も辞めます。
一般的に考えれば、かなり遠回りに見える人生です。
周囲からも、
「いつまで夢を語っているんだ」
そんなふうに見られるようになっていたそうです。
本人自身も、周りの人たちが普通に就職したり、家庭を持ったりしていく中で、自分だけが取り残されているように感じ始めていました。
「他にそんなやついない」
その話を聞いていた山口さんの反応が印象的でした。
相談者の人生を「失敗」や「遠回り」として見ていなかったんです。
むしろ、
そこまで自分で選んで進んできた人は、なかなかいない。
という見方をしていました。
進学する。
就職する。
周りと同じ道を歩く。
もちろん、それもひとつの人生です。
でも相談者は、用意されていた道から自分で降りていました。
山口さんはそこに、
「もう自分で自分のレールを引き始めている」
という意味を見出していたように感じます。
これは、ただ「夢を追え」と励ますのとは少し違います。
すでに本人がしてきた選択を振り返り、
「お前はもう自分で選んできているじゃないか」
と気づかせているんです。
山口一郎さん自身にも「何をやっているんだ」と言われた時代があった
話の途中から、山口さん自身の若い頃の話になります。
音楽だけでは生活できなかった時代。
生活が苦しくても、音楽をやめなかった。
おばあちゃんの家へ行き、お小遣いをもらいながら音楽を続けていた時期もあったそうです。
周囲からは、
「いつまでアマチュアバンドをやっているの」
「その年齢まで何をやっているの」
という目で見られることもあった。
それでも続けた。
27歳でデビューし、30歳で東京へ。
今のサカナクションだけを見ていると、その前にそんな時間があったことを忘れそうになります。
相談者に自分を重ねるように話していたのは、自分自身も「周りと違う人生」を歩いてきたからなのだと思います。
技術はあとからでも身につけられる
相談者は、自分にはまだ十分な技術がないことも不安に感じていました。
曲を作っても最後まで完成しない。
何かを表現したい気持ちはある。
でも、それをどう形にすればいいのか分からない。
そこで山口さんが大切にしていたのは、最初から完成された技術ではありませんでした。
自分の中に抑えきれないものがあるなら、まず外に出してみる。
音楽なのか。
文章なのか。
絵なのか。
映像なのか。
それはまだ分からなくてもいい。
自分の中にあるものを、何かに移し替えてみる。
その先で必要になった技術は、あとから身につければいい。
この考え方も、とても印象に残りました。
亡くなった友人と話していた夢
相談者には、海外で一緒に音楽をしていた友人がいました。
その友人とは、一緒にフジロックに出たいと話していたそうです。
しかし友人は亡くなってしまいます。
それでも相談者の中には、
「いつか自分がフジロックに出たい」
という思いが残っていました。
その話に対して山口さんは、自分自身も実際にフジロックの大きなステージに立った経験を重ねながら、可能性を否定しませんでした。
20歳。
この先どうなるかなんて誰にも分かりません。
でも、だからこそ可能性もまだ決まっていません。
人と違う人生は、間違った人生ではない
この配信を見ていて、一番残ったのはここでした。
周りと違う人生を歩いていると、自分だけが間違っているように感じることがあります。
特に周囲が就職したり、結婚したり、分かりやすく人生を前へ進めているように見えるときほどそうです。
でも、自分で選んできた道には、自分にしか分からない理由があります。
遠回りに見えた経験が、あとからつながることもある。
その時には意味が分からなかった出来事が、数年後に自分の一部になることもあります。
山口さんは相談者の人生に新しい道を用意したわけではありません。
相談者がすでに歩いてきた道を見て、
「もう自分の道を歩いているじゃないか」
と伝えていたように思います。
そこが、この話の好きなところです。
自分を信じるというのは、
「絶対に成功する」と思い込むことではないのかもしれません。
自分が選び、失敗し、迷いながら歩いてきた人生を、
まず自分自身が否定しないこと。
そんな意味なのかもしれません。
人と違っていてもいい。
遠回りしていてもいい。
まだ答えが出ていなくてもいい。
自分で選んだ道なら、もう少し先まで歩いてみる。
久しぶりに見返して、そんなことを考えた配信でした。
元になった配信
2023年4月19日 ライブ配信
山口一郎 YouTube
「サカナクション山口一郎の今夜も雑談中。」
公認切り抜き動画
「人と違う人生でも、自分を信じろ」
元配信の内容を約40分に整理した公認切り抜きです。
このページでは配信内容をそのまま転載するのではなく、公開されている内容をもとに、印象に残った話を自分なりに整理しています。

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